149:ゲロ◆ 08/15 22:21:59.59
そして1500メートル測定前、A木が何故か上機嫌で拳に尋ねる。
A木「拳お前やっぱ長距離も得意か?w」
拳「・・・・普通です。」
拳がイノコMAXのような返答を愛想なく返す。
A木はなんとも言えない表情をしていた。「かわいげのねーガキだぜ」とか思ってるだろう。
多分1年だと思われる女子生徒が家庭科室から顔を出して見ている。死にたい。
どーせトップを独走してる拳を見て
「あの人すごーい ねー顔も超かっこよくない?」
とか言うんだろ。 はいはい。 シャインシャイン。
そして1500メートルがスタートした。
A木は拳に
「本気で走れよ。」
とか言われてた。
拳はフル無視。
ちょっと露骨すぎないか?
60:ゲロ◆ 08/15 22:29:10.17
グラウンド3周目。俺はずっと下を向いて走ってる。苦しい。死ぬ。
集団から大きく離され俺、普通グループの8田、オタグループのピザ下が遅れている。
A木が「拳お前真面目にやれーーーー!!」って怒鳴ってる。
お前ホントシャイン。 生徒は拳だけじゃないだろ。 さっさと懲戒免職。
脳筋馬鹿は教え子に飛び抜けた奴がいると嬉しいんだろうな。
でも拳はお前を嫌ってるんだよ!!
顔を上げて見てみる。拳は集団に紛れているようだ。
トップを独走っているのは陸上部のS藤。
もう駄目だ。苦しい。死ぬ。あと半分だ。頑張れ俺。
歩きたい。 でも歩くことはできない。
俺と一周差がついて拳が俺の横を追い抜いて行く事なんてあれば、
あいつはそんな事絶対にできない。
明らかなペースダウンにA木は激怒するだろう。
だからペースダウンはできない。 ちくしょう かっこいいじゃねぇか俺。 輝いてるぜ、俺。
俺は奇跡的に普通グループの8田とオタグループのピザ下に大きな差をつけていた。
これがスポーツでの優越感か!!
たまらん!
63:ゲロ◆ 08/15 22:32:41.65
俺は1500メートルを人生最高とも言える頑張りで走り抜いた。
もう9割がゴールしてる。笑いたければ笑え。
俺は頑張った。自分で自分を褒めてあげたい有森優子。
という達成感も束の間やばい。過呼吸だ。やばい苦しい。死ぬ。
「ひっ・・ひっ・・ ひっ・・・」 とか言ってる俺かっこわるい。
案の定拳が「おい!大丈夫か!?」 と駆け寄ってきた。
他の生徒はフラフラなのにお前息あがってねーのか。サイボーグが。
拳「保健室いくか? おい、聞こえてんのか? 大丈夫か?」
俺「ひっ・・・ひっ・・・うん・・・・・っひっ・・・」
うわ。なんか泣いてるぞ俺。 もう俺にかまわないでくれ。 いや、嘘だ。誰か助けて。苦しい。
A木が拳に話しかけている。「おいお前全然本気で走ってなかっただろ。w」
その瞬間拳が珍しく怒声を上げた。
「んな事どーでもいいだろーが!! こいつ見えねーのかテメーは あああ!!!?」
拳がA木に掴みかかっているようだ。A木の反応は分からない。
拳が俺をおぶった。苦しいながらも拳がA木に向って
「テメーマジで教師やめろ。」
と言っているのが聞こえた。そして拳が走りだした。
病弱な生徒をおぶり疾走する拳、家庭科室の一年、惚れたな。
俺は朦朧とした意識の中で思った。 シャインと・・・・。
73:ゲロ◆ 08/15 22:37:17.14
俺は保健室で少し休んで回復した。
4時限目には授業に復帰したが、拳の姿が教室にはなかった。
後で知ったことなんだが、拳は俺を保健室に運んだ後、どこから買ってきたのか
酸素吸入のあの缶みたいな奴を買ってきた。
いや、拳が戻ってきた時には俺は回復していたので意味はほとんどなかったが。
その時学校外のスポーツ用品店に行くため、校門を勝手に抜け出し、
帰って来た後もA木とちょっといざこざがあったらしい。
うちは結構厳しいんで授業を勝手にサボったり学校外に出る事は禁じられている。
それで、生活指導室にいたらしい。
俺は感動して昼休みU本が
「拳君なんでしばらくいなかったの? 聞いても教えてくれなくてさー」
と言ってきたので拳がジュースを買いに行っている時に話した。
俺が過呼吸で苦しんでいたこと、その時拳がA木とやり合ったこと、
怒られるのを覚悟で俺の為に抜け出して酸素を買ってきてくれたこと。
その話の中の俺は大変かっこわるかったが、それでも話さずにはいられなかった。
拳は馬鹿で、不器用で、それでもあいつのやる事には、いつも誠意がある。
ただ、話しているうちに、俺の中でどんどん「きにくわねぇ」感情も高まっていったのはここだけの秘密だ。
81:ゲロ◆ 08/15 22:40:16.16
U本「なにそれホントに〜?」
俺「うん。」
U本「ほとんどドラマじゃんw マジでかっこいいんだけどww」
I谷「さすが彼氏w」
T畑「彼氏じゃないって〜w」 ばしばし
「彼氏じゃないって〜」か。 そう。
拳はお前と付き合う気なんかウンコ程にもねーんだよカスが!!気付け!!
ちょっとかわいいからって、ちょっと皆の前でチューしたからって、
調子のってんじゃねぇぞこのメスブタが!!シャイン!!
U本「それでゲロ君はもう大丈夫なの?心配ない?」
ほら来た。 拳の事も程々に俺の心配をしてくれるU本・・・
愛してるよ・・・。
俺「大丈夫。うん。 よくあるから。」
U本「よくあるんだw」
うん。今のはヤブヘビだったな。

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